練習中に何を考えているかで効果が変わる

サイクリングには最適な季節となってきました。

空が晴れ渡った日には山から見た景色もよく、爽快な気分を味わえます。

 

では、そのような爽やかな気分でなんとなく出かけた時と、どんな状況でも「あくまでトレーニングである」とシリアスな気分で出かけた場合、違いが生まれると思いますか?

 

実は練習中に何を考えているかによって、その効果が大きく変わるという研究結果は多くあります。

常にトレーニングと向き合い、自分を追い込んでいた方が強くなるのは当然と言えば当然です。

 

しかし、それではあまりにも楽しくないのではないでしょうか?

 

誰でもやればやっただけ無限に強くなるというものはなく、限界が来れば故障もするし、メンタルもやられます。

 

常にシリアスになって練習に励めと言っているではありません。

でもなんとなく出かけて、気分でもがいたりするだけでは、成果としては小さいものになります。


シリアスになるのは週に2回程度でもいいのです。

計画的にオンオフを切り分けることが重要です。

「計画的訓練」というものがあります。

 

スポーツのみならず、音楽や科学など様々な分野において成功できるかどうかは、生まれ持った才能ではなく、いかに「計画的訓練」に時間をかけたかによるということが、過去数十年の研究によって明らかとなっています。

 

この「計画的訓練」とは、フロリダ州立大学の認知心理学者アンダース・エリクソンの用語です。

ただ時間をかけて単純動作を繰り返すだけでなく、具体的な目標を決めて、自身のパフォーマンスを確認しながら、一歩ずつ確実に成長していこうというものです。

 

「質の高さと密度の濃さをしっかり時間をかけて行う」ことが重要だとベイカー氏は述べています。

 

トライアスロン選手を対象とした研究結果で、リザルトをしっかり残した選手は、年間を通して慎重に練習スケジュールを立てており、「その時期にどんな練習が必要なのか?」また「しっかり強度を上げた後は回復させる週を織り交ぜる」などをしていました。

 

逆に思っていたリザルトを残せなかった選手もしっかり練習をしていたのですが、「ただ限界まで追い込んでいただけ」であり、その結果疲労を残したり故障したりで、結局目標達成のために必要な練習量こなせないままレースを迎えていました。



気分で強度を上げたいときだけ上げるというのではなく、必要なのは計画的訓練です。

それは週に数回でも、レースリザルトで大きな違いが生まれてきます。

 

重要なのは漠然と練習を続けるのではなく、目標を定めて進捗を確認しながら続けていくことです。

 

 

参考文献 : 草思社「良いトレーニング、無駄なトレーニング」アレックス・ハッチンソン著, 児島修訳

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