BMIの値だけで健康と言えるのか?

肥満度指数(BMI)は、体重を身長の二乗で割って計算します。

身長175cm 体重75kg の男性のBMIは、75÷(1.75x1.75)=24.5です。

 

BMIが18.5~25 は標準、18.5未満は痩せすぎ、25を超えると太り気味、30を超えると肥満と考えられます。

 

ただし、健康の度合いを測るには、BMIよりも有酸素能力のフィットネスで測った方が適している場合が十分あるため、BMIだけで健康かを判断するのは早計です。

 

BMI25~29の太り気味の人でもフィットネスが良好な人は、デスクワーク中心の痩せている人(BMI 18未満)より死亡するリスクは低いという統計結果があるためです。



では、BMIが更に高い場合はどうだったでしょう?

 

カナダとアメリカの合同チームが11,326人を対象に12年間にわたる追跡調査を行った結果、BMIが36を超える人は標準値(18.5~25)の人に比べ、36%も死亡率が高くなりました。

 

ただ同研究では、BMIは脂肪の危険度を測るもっとも効果的な方法ではないということも指摘しています。

東オンタリオ研究所の研究者で、肥満研究の最新情報を発信しているトラヴィス・ソーンダーズ氏は、「BMIは集団調査でもっとも威力を発揮します。しかし個人に対してはうまく機能しません」と述べています。

これはどこに脂肪を蓄えているかが、脂肪の量と同じぐらい重要であることを意味しています。

 

厄介なのは腹部の脂肪、特に皮下脂肪ではなく内臓脂肪です。

一方、腰回りからお尻、そして下半身に付いた脂肪はそれほど問題ではないとソーンダーズは主張します。

 

多くの医師が内臓脂肪の量を測る指標として胴回りを測定しているのは、このような理由によります。

 

つまり、体重ばかりを気にするのではなく、どこに脂肪がたまっているかを気にするのも重要で、それが肥満に繋がっていないかを考えていく必要があります。

 

そして肥満の問題は心疾患・高血圧・糖尿病などのきっかけとなり、人生をいかに健康に過ごすか(健康寿命)にも大きくかかわってきます。

 

痩せる必要はありませんが肥満には十分注意して、少しの運動を取り入れ、健康寿命を伸ばす取り組みをしていきましょう。

参考文献 : 草思社「良いトレーニング、無駄なトレーニング」アレックス・ハッチンソン著, 児島修訳

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