その最大心拍数の計測は大丈夫?

心拍ゾーンは最大心拍数に対する割合を基に計算され、Garmin社によると以下のゾーン1~5のゾーンに分類されます。

1. 50~60% 【有酸素性能力の基礎作り】

2. 60~70%【心肺機能の向上】

3. 70~80%【有酸素性能力の向上】

4. 80~90%【無酸素性能力の向上】

5. 90~100%【無酸素性持久力の向上】

 

すべての元となる最大心拍数の測り方ですが、今でもネット検索をすると「220ー年齢」という方程式が出てきます。

広く知られている方法ですが、正しい値が得られているとは限りません。

 

この方程式にはほとんど科学的根拠がなく、1970年代初期の研究結果に基づいて、単純な経験則として作られたものです。

 

心機能には個人間での先天的な違いが大きく、3人に1人の割合で最大心拍数から10拍以上もの誤差が出ます。

有酸素ゾーンや脂肪燃焼ゾーンなど各運動ゾーンのカテゴリーが変わるほど大きな差です。

 

また最近の研究により、有酸素トレーニングの心臓強化で最大心拍数が最大10拍/分ほど減少することも分かっています。

 

したがって信頼できる唯一の測定方法は実際に心臓をその最大の速さで鼓動させることです。

通常は実験室のトレッドミルを使った心臓のストレステストによって計測しますが、心拍モニターを装着して徐々に加速しながら走り、最後の数分を全力疾走することによっても得ることができます。(測定全体で15〜20分)

正しい心拍数を知れば自分がどの心拍ゾーンにいるのかを把握しやすくなります。

ただし注意すべき点もいくつかあります。

 

気温や湿度が高い環境では、汗で血液量が少なくなり、運動強度が低くてもしだいに心拍が速まります。

涼しく乾燥した場合では逆の現象が起こります。

 

したがって、トレーニングをどの程度の強度で行っているかは、最終的には自分の感覚を基準にすべきとも言えます。

 

感覚ではきついのに、心拍はそれほど上がってないという場合があります。

やはり気温が上がっていないことも多いので、心拍が低いからといってペースを上げることは、あまり良い結果には繋がりません。

 

経験則に基づいて判断することも大切です。

参考文献 : 草思社「良いトレーニング、無駄なトレーニング」アレックス・ハッチンソン著, 児島修訳

Sold out
Sold out
Sold out

Sold out