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筋力とパワーの違いとは?

メジャーリーグの指先から放たれた速球が、キャッチャーミットに届くまでにかかる時間は0.5秒ほどです。

少し前の研究結果ですが、打者は判断を下すのに0.26~0.35秒、バットを振るのに0.19~0.28秒かかります。

つまり体重の3倍のベンチプレスができるほどの筋力があっても、それを瞬時に解き放つことができなければ、優れた打者にはなれないのです。

 

パワー(力)は「筋力 x 速度」と定義され、瞬間的な力を発揮する能力を示します。

レッグプレスマシンで重いウェイトを持ち上げるために必要なのは筋力のみです。

 

瞬間的に高く飛び上がるためには、筋力と速度の両方が必要です。

このため、ほとんどのスポーツでは筋力よりも「パワー」が重要となるのです。

 

パワーを強化するためのトレーニングは、筋力トレーニングとわずかに異なります。

 

もっともシンプルな方法は、通常よりも少し軽い負荷を、速く、爆発的な動きで持ち上げるというものです。

 

選択するトレーニング種目も目的に合ったものにするべきです。

アスリートは、試合時に近い動きを実際のスピードを想定して行います。

 

ウェイトリフティングのような筋力重視のように見える競技でも、瞬間的な力や重心位置が、競技の成果に非常に大きく影響しています。

そして、ゴルフのような穏やかに見えるスポーツでも、パワーが大きく影響しています。

 

トロント大学の研究によると、足のパワーの指標となる垂直飛びの記録は、ゴルフ上級者のドライバーショットの飛距離と関連しています。

これを意識しているゴルファーは少ないですが、「ゴルファーは筋肉を強く大きくすることを重視してきましたが、それによってスイング速度が上がらず、ボールを強く打てない選手が多くいます」と、トロント大学の教授は述べています。



自転車競技ではどうでしょうか?

 

筋力があったとしても、機材が適切に進むようセッティングしなければなりません。

そして走っているときの空気抵抗なども考慮すると、大きなパワーを出せたとしても、速いスピードが出せるとは限りません。
筋力だけでもパワーだけでもなく、その他の要因も大きく関わってきます。



また、パワーが問題になるのはアスリートだけではなく、日常生活でもいえます。

例えば椅子から立ち上がるときは、筋力よりも瞬間的な力や重心位置(バランス)が必要となってきます。

 

最近の研究では、軽いウェイトを用いた素早い動きをおこなうことで、高齢者のバランスの改善や骨の強化などに効果があることが分かっています。

 

とはいえ、パワーは筋力なくしては生まれません。

通常の筋力トレーニングも続け、少し瞬発力の動きや、重心を意識した動きを取り入れてみましょう。

筋力に頼らない動きこそ、効率が良い動きと言えます。

試合や日常生活での効果も実感できるようになるでしょう。

参考文献 : 草思社「良いトレーニング、無駄なトレーニング」アレックス・ハッチンソン著, 児島修訳

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