脱水症にならないための水分摂取のタイミング

暑さの中で運動を続け水分不足になると、パフォーマンス低下や血流が滞り足攣りの根本的原因にもなります。

 

脱水症状に陥ることを防ぐために充分かつ早めの水分補給を行うため「のどの渇きを感じた時では遅すぎる」と言われています。

様々な研究で、体重の2%を上回る量の汗をかくと動きが鈍くなるという結論が出ています。



南アフリカの生物学者ノークス氏はこれらの研究に対し、水分不足でパフォーマンスの下がる原因は、脱水状態になることではなく「のどが渇いた」という脳信号によるものだという説を唱えています。

 

水分の摂り過ぎが命に関わることが分かってきたということもありますが、最近ではこのノークス氏による説も支持されています。

ノークスによる持久系アスリートを対象とした研究では、のどが渇くメカニズムにはかなりの個人差があることを示しました。

 

そして競技中にほとんど水分を補給しない選手もいれば、大量に摂取する選手もいます。

 

さらに上位成績者に脱水状態の最も重い症状を示す傾向があることも興味深い点で、これもノークスの理論を後押ししています。

 

ノークス氏は「のどが渇いたという合図に従って水分を摂取しましょう。のどが渇いたら水分を摂り、そうでなければ摂らない。それ以外は気にしなくて良いのです」と言います。



しかしながら、レースで集中しすぎることで、その合図すら見逃してしまい、補給や水分摂取が遅れることも多くあります。

 

「少し早めに摂取することを心掛ける」といった程度がちょうどよいのではないかと思います。

参考文献 : 草思社「良いトレーニング、無駄なトレーニング」アレックス・ハッチンソン著, 児島修訳

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